効果が半減!?マウスピース矯正の注意点とは?

歯科コラム COLUMN

近年、矯正治療のなかでも注目が高まっているのが、インビザラインなどのマウスピース矯正です。「透明で目立たない」「取り外しできる」「痛みや違和感が少ない」など、多くのメリットからマウスピース矯正を選ぶ方が増えています。
» マウスピースで歯並びを矯正できる!?

こうして見ると、マウスピース矯正は良いことばかりに聞こえるかもしれませんが、注意点がないわけではありません。今回は、マウスピース矯正を受ける際の注意点についてご説明していきましょう。マウスピース矯正を検討中の方はもちろん、現在治療を受けている方にも参考にしていただきたい内容ですので、ぜひご一読ください。

取り外しできる装置のメリットと注意点

マウスピース矯正の大きなメリットは、装置を取り外しできることです。食事や歯磨きの際には装置を外せるため、比較的不自由の少ない生活ができますし、口腔内を衛生的に保つこともできます。ただし、「取り外しができる」がゆえの注意点もあります。

マウスピース矯正は1日の装着時間が決められています(インビザラインであれば1日20時間以上)が、時間どおりに装着するかどうかは患者様に委ねられています。なかには、「面倒くさいから」「忙しいから」「今日はマウスピースを気にせずに遊びたいから」といった理由で、装着時間を減らしてしまう方もいらっしゃいます。最初は、「1日なら大丈夫だろう」という気持ちかもしれませんが、それが2日になり、3日になり、1週間になり・・・そうなると当然、計画どおりに歯が動かなくなってしまいます。

決められた装着時間は守りましょう!

矯正用のマウスピースは非常に優れた装置ですが、もちろんきちんと装着しなければ歯は動きません。計画どおりに歯が動かないと、歯型を採り直すことにもなり、結果的に治療期間が延びてしまいます。美しい歯並びを早く手に入れたいのなら、決められた装着時間は守ってくださいね。

マウスピース矯正ができない歯並びがある!?

マウスピース矯正は、残念ながらすべての人に適用できるわけではありません。たとえば、顎が前後左右に大きくズレている、歯の凸凹が激しい不正咬合の場合など、マウスピース矯正で改善することが難しい歯並びもあります。

ただし、マウスピース矯正ができないからと言って、残された道はワイヤー矯正しかないわけではありません。どうしてもワイヤー矯正が必要な場合も、たとえば最初にワイヤー矯正である程度歯を動かしてからマウスピース矯正にシフトしたり、最初にマウスピース矯正を行い、仕上げとしてワイヤーを使ったりと、両者を併用することで、より効果的かつ短期間で歯並びを改善できるケースもあります。

虫歯のリスクが高くなる!?

マウスピース矯正は装置を取り外すことができるため、ワイヤー矯正に比べると口腔内を衛生的に保ちやすいと言えます。とはいえ、お口に何も入っていない状態に比べると、虫歯になるリスクは高くなります。私たちの唾液は虫歯菌を洗い流す働きがありますが、マウスピースを付けていると唾液の循環が遮られてしまうのです。

矯正中の虫歯を予防するためには、毎日の丁寧な歯磨きはもちろん、マウスピースは取り外しの度に洗浄して口腔内を清潔に保つことが大切です。

新宿スワン歯科・矯正歯科 院長より

コラムのなかで、マウスピース矯正ができない場合があるとお伝えしましたが、矯正中の見た目が気になっているのであれば、ワイヤー矯正でも装置が白や透明の目立たないものがあります。また、装置を歯の裏側に付ける裏側矯正(舌側矯正)という手法もあります。近年では、様々な要望に応えられる矯正治療・装置が登場していますので、まずはお近くの矯正歯科で、ご希望やご要望を交え一度相談されてみてはいかがでしょうか。

次回の歯科コラムは、10月7日(水)の公開を予定しております。ぜひお楽しみに。