虫歯予防の基本「ホームケア」を見直しましょう!

歯科コラム COLUMN

厚生労働省「平成23年歯科疾患実態調査」のなかから、「現在歯に対して虫歯を持つ者の数・5歳以上・永久歯」の結果をご紹介します。簡単に言えば、治療済みの歯を含め、どのくらいの人が虫歯にかかっているかを示すデータです。

下のグラフを見ると、5歳以上10歳未満の子供の場合、虫歯になったことがある人の割合は10%ですが、10代では46.3%、20~60代では90%超の方が虫歯を経験していることが分かります。日本はまさに「虫歯大国」なのです。

ホームケア&プロケアが虫歯予防の鉄則

虫歯という病気はプラーク(正確にはプラークに含まれる虫歯菌)が原因であることが分かっています。つまり、徹底したプラークコントロールを実践していれば十分に予防できる病気なのです。そして、このプラークコントロールの鉄則が、ご自宅での毎日の歯磨きなど(ホームケア)と歯科医院での定期検診(プロケア)です。

ホームケアだけで虫歯を予防するには限界があります。逆に、歯医者に通って定期検診を受けていても毎日の歯磨きがおろそかになると虫歯になってしまいます。大切なのは、ホームケアではカバーできないところをプロケアで補うこと。「ホームケア+プロケア」がしっかりできていれば、虫歯にかかる確率はグンと下がるのです。

ホームケアのポイント

今回のコラムでは、虫歯予防において重要な役割を果たすホームケアについて、そのポイントを解説しています。毎日ちゃんと歯磨きしていても、磨き方に問題があったら効果は半減してしまいます。また、ホームケアは歯磨きだけに限りません。毎日続けていくことだからこそ、この機会にぜひ見直してみてくださいね。

歯磨き

100人いれば、ほぼ全員が毎日歯磨きをしていると思いますが、正しく磨けている人はおそらく半数に満たないでしょう。実際に歯科医院でプラークの染め出しを行うと、多くの磨き残しが見られる方がほとんどです。ブラッシングはただ磨けばいいのではなく、自分の歯並びや歯の形、歯茎の状態に合った正しい磨き方で行うことが大切です。

歯磨きはどうしても自己流になりがちなので、正しい方法を身に付けるためには、歯科医院でブラッシング指導を受けることをおすすめします。自分に合った歯ブラシの選び方から、歯ブラシの動かし方、力の入れ方、重点的に磨くべき箇所などが分かります。電動歯ブラシをお使いの場合も、使い方のコツを教えてもらえます。

歯間ブラシ

歯磨きが届きにくい箇所のプラークの除去に有効な歯間ブラシ。特に、歯と歯の間に隙間がある方に適しています。隙間に合ったサイズの歯間ブラシを選択し、できれば朝晩使うようにしましょう。

デンタルフロス

歯間ブラシと同様に、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間のプラーク除去に最適です。フロス(糸)が引っかかったりほつれたりする場合は、歯と歯の間に虫歯があるケースがありますので、その場合は歯科医院に相談しましょう。

口腔洗浄器

水流の力で歯間の汚れを落とす口腔洗浄器。歯ブラシと併用することでクリーニング効果が増幅し、虫歯予防に効果を発揮します。メーカーによって呼称は異なりますが、フィリップスの「ソニッケアー エアーフロス」や、パナソニックの「ドルツ ジェットウォッシャー」などが代表的です。

キシリトールガム

キシリトールは歯の再石灰化(エナメル質の修復)を促す働きを持つだけでなく、虫歯菌を活性化させる酸を作らないため、虫歯になりにくい口腔内環境を作るのに適しています。食後・就寝前などにキシリトールガムを噛むのがおすすめです。

よく噛むこと

食事のとき、よく噛むことで唾液の分泌が促されます。唾液には虫歯菌が洗い流す作用のほか、歯の再石灰化を促す働きもあります。

いかがでしたでしょうか? お口の健康を維持するため、ぜひ実践できることからはじめてみましょう。次回のコラムでは、歯科医院での定期検診(プロケア)について解説していきます。