歯ぐきが痩せてきた!これって老化?元どおりになる?

歯科コラム COLUMN

黒ずんだ歯ぐきを健康的なピンク色にできる!?」では、歯ぐきの黒ずみを解消する治療と対策についてお伝えしましたが、歯ぐきのトラブルはこれだけではありません。「歯ぐきが痩せてきた・下がってきた!」というお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

小林製薬が行った調査では、「加齢による変化が気になる場所は?」という質問に対し、40.2%の方が「歯や歯ぐき」と回答しています。では、具体的に歯や歯ぐきのどこが気になるのでしょうか? 「口元に生じる事象で避けたいものトップ3」では、「歯の黄ばみ」がもっとも多く(63.1%)、「歯ぐきの下がり(48.5%)」「歯並びの悪さ(47.6%)」と続きます。歯の着色が1位ですが、痩せてしまった歯ぐきにお悩みの方も少なくないことが分かりますね。

※女性のアンチエイジングとオーラルケアに関する意識・実態調査
(参考URL http://www.kobayashi.co.jp/corporate/news/2013/131017_01/index.html
※調査対象:全国・40代女性・103名

上記は女性を対象にした調査ですが、性別にかかわらず歯ぐきが痩せていると不健康な印象を与えてしまいますし、お口の病気・トラブルが潜んでいることもあります。また、歯ぐきが痩せると歯の隙間が広がり、食べ物が挟まりやすくなったり、知覚過敏を起こしたりすることも・・・。気が付いたら早めに対処することが重要です。

歯ぐきが痩せる原因は?

みなさんが「歯ぐきが痩せた」と感じる症状は、専門用語で「歯肉退縮」と呼ばれます。「歯の根っこが見える」「歯が長くなったように見える」「歯が伸びてきたように見える」と表現したほうが分かりやすいかもしれません。歯肉退縮の主な原因は以下のとおりです。

歯周病

歯周病が原因で歯ぐきが痩せるケースも少なくありません。歯周病が進行すると顎の骨が溶かされていきます。骨自体が減ることで、骨の上にある歯ぐきの位置も下がってしまうのです。

間違った歯磨き

間違ったブラッシングを続けていると歯ぐきが痩せることがあります。力任せにゴシゴシ磨く習慣があると、歯ブラシの圧力で歯ぐきが削れて下がってきてしまうのです。

噛み合わせ・歯並び

歯並びが原因で部分的にうまくブラッシングができなかったり、噛み合わせの問題で一部の歯だけに無理な力が加わったりすることで、その部分の歯ぐきが痩せてくることがあります。これは、歯ぎしりや食いしばりのクセがある場合も同様です。

加齢

個人差はありますが、歯ぐきは年齢とともに痩せていきます。毎日鏡を見ていても気付きませんが、実は歯ぐきの位置は10年で2mm下がると言われています。歯ぐきは1mm下がるだけでも、見た目の印象が変わってきます。

痩せた歯ぐきを改善するには?

歯周病が原因であれば、歯周病を完治させることが先決ですし、噛み合わせに問題があれば咬合治療を検討します。日々の歯磨きに問題があれば、ブラッシングを見直すことで改善へと導きます。

これらで改善できない場合や症状がひどい場合は、「歯肉再生手術」を行う場合もあります。歯肉再生手術には様々な方法がありますが、簡単に言うと、他の部位の歯肉を痩せている部位に移植したり、周囲の歯肉を引っ張って移動させたりすることで審美性を改善する手術です。

歯ぐきが痩せるのを防ぐには?

最大の予防法は、毎日の歯磨き習慣を見直すことです。間違ったブラッシングによって歯ぐきが痩せている場合はもちろんですが、正しい歯磨きで歯周病を予防できれば、それは歯ぐきの退縮予防にもつながります。また、健康な歯ぐきを維持できれば、加齢によって歯ぐきが下がるのも遅らせることができます。

新宿スワン歯科・矯正歯科 院長より

歯ぐきが痩せる原因は必ずしも一つとは限りません。自己診断をするのではなく、まずは歯科医院で診断を受けてみましょう。どんな治療でもそうですが、原因を特定しなければ正しい治療はできません。「なぜ歯ぐきが痩せてしまったのか?」をじっくりと診断・説明してくれる医院を選ぶようにしてくださいね。