虫歯・歯周病にならない人はどんな歯ブラシを使っている!?

歯科コラム COLUMN

虫歯・歯周病にならない人はどんな歯ブラシを使っている!?

お口の健康維持とエチケットの相棒となる歯ブラシですが、みなさんはどんな基準で選んでいますか? 今回は「歯ブラシを購入するとき、気にしていることは?」というアンケートをとってみました。

結果は右のグラフのとおり。半数の方が「毛の硬さ」を気にしているほか、「ヘッドの大きさ」を重視する方も少なくないことが分かりました。歯ブラシの好みは人それぞれですが、一体どんな歯ブラシを使うのが良いのでしょうか?

重要なのは、汚れを落とせているかどうか!

歯ブラシ選びの正解は、「汚れをきちんと落とせる歯ブラシ」です。とはいえ、これは人によって違うため、「この歯ブラシがいちばん良い」とは言えません。逆に言えば、しっかりと汚れを落とせるのであれば、どんな歯ブラシでもOKなのです。

しかし実際は、「汚れを落とせるかどうか」ではなく、別の基準で歯ブラシを選んでいる方が多いようです。

「刺激がある=磨けている」ではない!

・ブラシが硬くないと磨いている感じがしない。硬いほうがすっきりする。(10代/女性)

アンケートでは毛の硬さが1位になっており、なかでも、上記のような理由で硬めの歯ブラシを支持する方が多くいました。もちろん、歯磨き後に満足感・爽快感を得るのも大切ですが、それは歯磨きの本来の目的ではありません。歯磨きの目的は、しっかりと汚れを落として虫歯・歯周病を予防すること。「磨いている気がするかどうか」ではなくて、「磨けているかどうか」を意識して歯ブラシを選ぶようにしてくださいね。

硬めの歯ブラシにはこんなリスクも!

・毛が硬すぎると歯茎が傷付いてしまい、歯茎が弱ってしまう。(20代/女性)

硬めの歯ブラシに対しては、上記のようなコメントもありました。硬い歯ブラシは汚れを落としやすいのがメリットですが、口腔内の状態や磨き方によっては歯や歯茎にダメージを及ぼすリスクもあります。硬い歯ブラシで長時間ゴシゴシ磨くことで、歯が削れて知覚過敏を起こしたり、歯茎が痩せてしまったりすることがあります。心当たりのある方は、やわらかめの歯ブラシに替えてみるのがいいでしょう。

出血は歯磨きのせいじゃない!?

・毛が固すぎると血が出てしまうので、やわらかい歯ブラシにしている。(50代/男性)

やわらかい歯ブラシを選ぶ方のなかには、このような意見も見られましたが、「出血の原因が本当に歯磨きなのか?」は疑ってみる必要があるでしょう。もちろん、歯磨きによって歯茎が傷付いて出血することもありますが、歯周病の可能性も否定できません。健康な歯茎なら硬い歯ブラシで磨いても出血は起こしませんが、歯周病になると歯茎が炎症を起こすため、少しの刺激でも出血しやすくなります。歯磨きで血が出るという方は、一度、歯周病の検査を受けてみてくださいね。

ヘッドは小さめが人気!

・ヘッドが小さいほうが奥歯が磨きやすく、細かいところまで丁寧に磨ける気がする。(40代/女性)

ヘッドの大きさを気にする方は、小さめを選ぶ傾向にありました。ヘッドが小さめの歯ブラシは細部までブラシが届きやすいのがメリットです。逆に、ヘッドが大きいと一度に磨ける範囲は広くなりますが、反面、奥歯にブラシが届きにくいため、そこに汚れ・歯垢が溜まりやすくなります。特に歯・顎が小さい方や、歯並びが悪くて磨きにくい箇所は、ヘッドが小さめの歯ブラシで1本1本丁寧に磨くようにしましょう。

新宿スワン歯科・矯正歯科 院長より

毎日のブラッシングでは、ご自身の口腔内の状態に合った歯ブラシを選ぶことが大切ですが、他にも気をつけるべき点が2つあります。1つは、磨き方。最適な歯ブラシを使っていても、磨き方が悪かったら効果は半減してしまいます。正しい磨き方を習得するには、歯医者さんでブラッシング指導を受けてみるのがおすすめです。2つ目は、こまめに交換すること。毛先が広がった歯ブラシは新品に比べ、歯垢の除去率が4割下がるという研究結果があります。歯ブラシは、約1ヶ月を目安に交換してくださいね。

次回の歯科コラムは、12月28日(月)の公開を予定しております。ぜひお楽しみに。