子供の歯を虫歯から守るため、今、知っておきたいこと

歯科コラム COLUMN

現在、日本に虫歯にかかっている子供がどれくらいいるかご存知でしょうか? お子さんが虫歯になると、「同年代の他の子たちはどうなんだろう?」と気になるお母さんもいらっしゃるかもしれません。

こちらのデータは、平成26年度に文部科学省が行った「学校保健統計調査」の結果からの抜粋です。虫歯の罹患率は幼稚園児で38.46%、小学生では52.54%。これを見ると、数字上は幼稚園児の3分の1以上、小学生の実に半数以上が虫歯を持っている、もしくはかかったことがあるということが分かります。

なぜこれほど、虫歯にかかっている(かかったことがある)子供が多いのか?――それは、子供の歯が大人の歯よりも虫歯になりやすい性質を持っているからです。

子供の歯が虫歯になりやすい理由

C大人の歯に比べて各層が薄い

乳歯や生えたての永久歯は、表面のエナメル質やその内側にある象牙質の厚さが大人の永久歯の半分ほどしかありません。また、虫歯菌がつくり出した酸によって溶け出たミネラル成分を取り戻す再石灰化の力も弱いため、虫歯で簡単に溶かされてしまいます。

食べカスが溜まりやすい

子供の歯は大人の歯よりも歯質がやわらかい、形が複雑、噛み合わせ面の溝が深いなど、食べカスが付着しやすい条件がそろっています。しかも子供はチョコレートやキャラメルなど粘着性のある甘いお菓子を好むため、虫歯になりやすくなります。

ケアの不足

幼稚園児や小学校の低学年くらいまでのお子さんは、自分一人ではしっかり歯を磨くことができません。表面的にはキレイでも、実は磨き残しがたくさん・・・という子はたくさんいます。また、年齢が大きくなると親御さんのケアも疎かになりがちです。

乳歯の虫歯は気にしなくても平気なの?

「乳歯はそのうち生え替わるから・・・」と考え、お子さんの虫歯をそのままにしていませんか? しかし、乳歯の虫歯を放置すると、次のような問題が起こる可能性が高くなります。

・虫歯菌が多い口腔内環境の中で生えることになる永久歯が、虫歯になりやすくなる
・乳歯の虫歯がひどくなると、永久歯が黄色くなったり一部が形成されなくなったりする
・生え替わりを待たずに抜歯をすると、永久歯が生える場所が狭くなって歯並びが乱れることがある
・虫歯で歯が抜けたり歯並びが乱れたりすると、「サ行」や「タ行」などの発音がしにくくなる
・痛みのせいで正しい噛み方ができなくなると、噛み合わせに問題が出ることがある

知っておきたい、子供の虫歯の見つけ方

場所

乳歯の虫歯は、奥歯の歯と歯の間にできることが多くあります。この部分をよくチェックしましょう。

くぼみ

乳歯の表面に小さなくぼみを見つけたら、それは初期虫歯のサインです。

変色

乳歯の虫歯ははじめから黒く変色するのではなく、白っぽくなったり黄色っぽくなったりします。

お子さんが歯の痛みを訴えたときや歯の表面に大きな黒い変色を見つけたときは、すでに虫歯がかなり悪化していると考えられます。そうならないよう、歯磨きや仕上げ磨きのときにしっかり観察してあげましょう。また、親御さんが「虫歯かも・・・」と思う徴候があったら、できるだけ早く歯医者さんに連れていってあげましょう。

グラントウキョウスワン歯科・矯正歯科 院長より

一人できちんとブラッシングができないお子さんのお口の健康を守るのは、親御さんの大切な役目です。小さな頃からしっかりケアをしてあげることで、お子さんは将来虫歯で困らないようになるでしょう。健康な歯は、愛するお子さんへの最高の“贈り物”。お口のケアを通して、お子さんの健やかな成長を応援しましょう。グラントウキョウスワン歯科も、お口の健康をしっかりサポートします。