矯正歯科(インビザライン)について③

裏側矯正と表側矯正の比較

昔は矯正歯科治療と言えば「表側矯正」が一般的でした。しかし、最近では「裏側矯正(舌側矯正)」も目立たない矯正治療として普及してきています。それぞれの特徴をみていきましょう。

<発音への影響>
表側矯正の場合、矯正装置を装着しても発音に影響を与えることはほとんどなく、舌に矯正器具が当たることもないので喋る際にも違和感がありません。それに対して、裏側矯正の場合は舌に矯正装置が当たってしまうため、発音がしにくいと感じる人も多くいます。基本的に1,2週間では慣れてくるので、裏側矯正でも長期的な発音への影響は少ないです。
<見た目への影響>
見た目に与える影響が少ないのは裏側矯正です。金属ブラケットを利用した場合でも、裏側に装置を装着するので表から見えることはほとんどないでしょう。それに対して表側矯正の場合、金属ブラケットを使用すると笑った時にワイヤーからブラケットまで見えてしまいます。しかし、最近ではブラケットも小型化されつつあるため、セラミックブラケットなど審美性を考えた装置を利用すればほとんど目立ちません。
<食事への影響>
表側矯正の場合、装置を装着したばかりの頃は硬さのある食べ物が食べにくいと感じる人も多いようですが、しばらくすると慣れてきます。裏側矯正も同様に食べにくさを感じますが、やはり舌が当たってしまうため表側矯正よりも慣れるのに時間がかかってしまうでしょう。どちらも1ヶ月程度で慣れてくるので食事への影響は少ないと言えます。
<虫歯への影響>
虫歯のなりにくさで言えば、歯の裏側の方が表側に比べると虫歯にはなりにくいです。しかし、日々の歯磨き方法によっては、裏側をうまく磨くことができずに汚れが溜まってしまう人もいます。表側矯正も裏側矯正も、凹凸のある装置を歯に装着するため、何もつけない場合に比べると虫歯リスクは高まってしまいます。虫歯や歯周病にならないためにも、1ヶ月を目安にクリニックでクリーニングを行なったり、ブラッシングの指導を受けたりすることが大切です。
<費用>
表側矯正と裏側矯正で迷っている人に多いのが費用の問題です。費用に関しては表側矯正の方が断然安く済みます。裏側矯正の場合、装置の装着が表側矯正に比べて難しいことや、材料の違いからどうしてもコストがかかってしまうのです。

このように、同じ矯正治療でも、表側と裏側のどちらに装置を装着するかで見た目や発音などに与える影響が変わってきます。症状によっては裏側矯正ができないこともあるので、歯や骨格の検査後、結果を元に医師と相談しながら決めることが大切です。希望する矯正装置がある場合はカウンセリングや問診の際に医師に伝えておくのが良いでしょう。

クリニックの選び方

今では数多くのクリニックが矯正治療を導入しています。同じエリアでもどの矯正歯科を選べばよいか迷ってしまう人も多いでしょう。矯正歯科を選ぶ際にはチェックしておくべきポイントがいくつかあります。

①矯正歯科治療に関する認定医が在籍しているか
まず見ておきたいポイントとしては、矯正歯科治療に関するプロが在籍しているかどうかです。現在では認定医という資格もあるので、矯正治療に関する認定医がいるかどうか、医師の経歴などは確認しておくのが良いでしょう。
②治療の選択肢を詳しく説明してくれるか
現在では、矯正歯科治療を行なうクリニックのほとんどが複数の矯正装置を用意しています。人によって歯並びや年齢、症状は変わってくるため、全ての人が1つの治療方法に当てはまるわけではないからです。外科手術を必要とするのかしないのか、数ある治療法のなかでもどの方法が一番自分自身に合っているかなど、詳しく説明してくれる医師かどうか確認しておくのがよいでしょう。納得できる治療法を選ぶことによって、満足いく結果が得られます。
③料金や通院頻度、治療期間の説明があるか
矯正治療をするにあたり、多くの人が気になる部分と言えばやはり料金や通院頻度、治療の期間でしょう。この部分を曖昧にしたまま治療を進めてしまうと、「こんなに費用がかかるはずじゃなかった」「もっと短期間で治療が終わるはずだった」など後からトラブルになってしまう可能性があります。それぞれの治療方法における料金や治療期間などを具体的に説明してくれる医師であれば安心して治療を任せることができます。
④医師の雰囲気や院内の雰囲気
矯正治療をする際には、1度歯科へ足を運べば治療が終わるわけではありません。診察や検査から始まり、矯正装置の制作や装着、その後の定期チェックなど、何度も歯科クリニックへ足を運ぶことになります。気持ちよく通院するためにも、医師や院内の雰囲気はチェックしておきたいポイントと言えます。疑問に思う部分や不安に思う部分を素直に打ち明けられる医師であれば、常にスッキリとした状態で治療を重ねていくことができます。また、気持ちよく迎えてくれるスタッフや清潔な院内であれば通院も負担に感じにくいでしょう。気軽に相談できる医師、雰囲気の良い院内であるかどうかは重要なポイントなのです。
⑤必要以上の検査や治療を勧めてこないか
矯正治療をする際に、治療についてよくわからない状態で予約をしてしまう人もいます。治療についての理解が乏しいことをいいことに、無駄な検査や治療を勧めてくる歯科は要注意です。本来では不必要な検査や治療をすることで治療費はさらに高くなってしまいます。矯正歯科治療は保険適用外になるケースがほとんどなので、それらも全額自己負担となります。美しい歯並びにしてあげようと最適な治療法だけを勧めてくれるかどうかもクリニックを見極めるポイントなのです。

矯正治療で注意するべきこと

矯正治療をする際には、治療装置を装着したからと言って終わりではありません。治療中も定期的にクリニックへ足を運んで検診を受ける必要があるのです。矯正治療で注意するべき点をいくつか紹介します。

痛みが出てくる場合がある
矯正装置を装着した後に、人によっては痛みが出てくる場合があります。しかし、これは矯正装置で歯が正しい位置に動こうとするため発生する痛みなので、それほど心配する必要はありません。大体2,3日から1週間程度で痛みは気にならなくなります。なかなか痛みが治まらないという人は、クリニックで痛み止めをもらうのが良いでしょう。
装置が外れた時にはクリニックに連絡する
まれに矯正治療中に装置が外れてしまう場合があります。食事中硬いものを食べたり、口元を何かにぶつけたりした際にその衝撃で外れてしまうのです。もし矯正装置が外れてしまった場合は、できるだけ早めに矯正歯科クリニックへ連絡して装置を修理してもらうことが大切です。外れた状態で過ごすと口内環境の悪化に繋がります。
食べ方に気をつける
矯正治療中は、食事の食べ方にも注意が必要です。食べてはいけない物についての制限はありませんが、食べ方によっては矯正装置が壊れてしまう可能性があります。できるだけ奥歯で噛み砕くよう意識するのが良いでしょう。
清潔を保つ
矯正装置を装着することによって、ブラケットやワイヤーの隙間に食べかすが挟まりやすくなります。そのため、いつも以上に時間をかけて丁寧にブラッシングをする必要があります。挟まった食べかすをそのままにしてしまうと、虫歯や歯周病の原因になってしまうので注意が必要です。

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